「高専の就職率は100%」その魅力に惹かれて高専に入った人は多いはず。
ただ実際に就活の時期が近づくとこんな疑問が出てきます。
高専は就職率100%って聞いたけど、実際どんな企業に行けるの?
成績が悪くてもいい会社に入れるの?
入社試験は何社も受けるの?
この記事では、高専を目指す中学生や現役高専生に向けて、「高専卒なら誰でも大企業に入れるのか?」という疑問に答えていきます。

「大企業に就職したい!」という思いから、就職率100%を誇る高専(機械工学科)に入学しました。
機械工学科を選んだのは、単純に人気が高かったのと、父親の仕事が機械を操作する仕事で、憧れていたからかもしれません。
2013年に高専を卒業して、晴れて大手製造メーカーに就職。
「高専卒でも大卒に勝てる!」
これが進学を蹴ってまで今の会社を選んだ理由であり、高専OBから放たれた言葉でした。
社会人になっても猛勉強して、会社が推奨する国家資格をいくつも取りました。
その甲斐あり、これまでに5回の昇格試験を乗り越え、今では大卒と同じ出世のレールで日々奮闘しています。
27歳で結婚、29歳でマイホーム購入に加え第1子誕生、と毎日充実した人生を送っています。
高専生の就職先ランキング

まず高専卒の就職先ランキングを見ていきます。
「サントリー」「JR東海」「旭化成」「花王」「NTT東日本」など、上位は全て有名な大企業が占めています。
その他も一度は聞いたことがある大企業ばかりですね。
2019年と2020年だけ載せましたが、毎年何十名もの高専生が大企業に入社しています。
高専生の需要が高いことが分かりますね。
成績が悪くても大企業に入れる?
「大企業に行けるのは成績上位の人達だけでしょ?」そんな声が聞こえてきそうですが、安心してください。
成績が悪くてもランキング上位の大企業に入社できます!
成績も採用基準の一つかもしれませんが、企業にとってはあまり関係ありません。
なぜなら高専生は、レポート課題や定期テストといった勉強漬けの日々を乗り越えた実績があるからです。
企業にとっては、そういう頑張れる人材であれば十分なんです。
実際に私の成績は、40人近くいるクラスの半分以下で下位グループにいました。
そんな私でも就職先ランキング上位に記載されているような大企業で働いています。
入社試験できちんと自分をアピールできれば、成績なんて関係なく大企業に入れます!
大企業が高専生を採用する理由
「なぜそんなに高専生を欲しがるのでしょうか?」
まず高専生は5年という期間で、「高い専門性と技術力」を身に着けているからというのが一つ。
そして一番の理由は、「若くて安く雇えるコスパのいい人材」だからです。
高専生の技術力は20歳という若さで大卒とほぼ一緒。にもかかわらず給料は大卒よりも安くていいんです。
高卒、高専卒、大卒の初任給と年収を比べてみると次のようになります。
高卒 | 18万円 |
高専卒 | 18.4万円 |
大卒 | 21万円 |
高卒 | 高専卒 | 大卒 | |
---|---|---|---|
30代 | 438万円 | 454万円 | 575万円 |
40代 | 528万円 | 571万円 | 764万円 |
50代 | 566万円 | 628万円 | 838万円 |
初任給、年収ともに高卒と大卒の中間あたりになります。
大卒と同じほどの技術力を持っていて安く雇えるのだから、企業にとっては最高の人材というわけです。
また若い時期から雇えるので、将来の成長も期待できるメリットもあります。
私の会社でも課長や部長といった管理職まで上りつめて活躍している高専卒もたくさんいます。
大企業に入るデメリット 3つ

大企業に入れば、たくさんお金がもらえて福利厚生で豊かな生活が送れるといったメリットばかり想像できるでしょう。
しかしデメリットがあるということも認識しておきましょう。
大企業に入るデメリットは主に3つ。
- 転勤がある
- 頑張っても給料が上がらない
- 年功序列である
転勤がある
大企業となれば、全国各地に生産工場や営業所を構えています。
グローバルな会社となれば、海外にも拠点があるでしょう。
大企業で働くということは、全国各地へ転勤で飛ばされる可能性があることを覚悟しておきましょう。
実際に私の同期や先輩も、転勤で飛ばされていく姿を何度も見てきました。
もちろん転勤の理由は、悪い事をしたわけではなく違う場所でも経験を積ませるためです。
転勤となれば、家庭を持つ家族にとっては一大事。
転勤が嫌で会社を辞めるという人もいるほど、転勤は大きなデメリットの一つでしょう。
頑張っても給料が上がらない
大企業に限らずですが、会社員であれば頑張っても給料は上がりません。
昇格という制度もありますが、自分でコントロールできるものではありません。
何年も働いて徐々に給料を上げていくのが会社員の宿命。
もっとお金が欲しい人は起業や副業、成果報酬型の会社へ転職した方がいいかもしれません。
年功序列である
会社員は頑張っても給料が上がらないと伝えましたが、年を重ねると自然に上がっていきます。
言い換えれば仕事が出来なくても、頑張って働かなくても長く会社に勤めさえすれば誰でも給料が上がるんです。
頑張って働く若手より、何もしていないおじさんの方が給料が倍も違うなんてのはよくある話です。
特に大企業であるほど若手とベテランの給料差は大きく、年功序列なのを強く感じます。
現代では年功序列も崩れてきているという話もありますが、未だに給料体制は変わっていません。
自分より給料が高いことに不満を抱えるのであれば、大企業(会社員)には向いてないかもしれません。
まとめ

高専生であれば成績が悪くても大企業に簡単に入れます。
「自分は成績が悪いから大企業は諦める」なんて考えている方は考えを改めてぜひ挑戦してみてください。
大企業で働くデメリットもありますが、高い給料がもらえると生活が豊かになります。
自分が歩んできた高専生活に胸を張って、就活頑張ってください。
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