昇格試験の選考で選ばれた!けど、そもそも昇格試験って何?
昇格試験に向けて何から準備したらいいの?
昇格試験に落ちる人はいるの?合格する人と落ちる人の特徴は?
この記事ではこんな疑問にお答えていきます。
- 昇格試験とは何か
- 企業が昇格試験を導入する目的とメリット・デメリット
- 昇格試験を受けられるのはどんな人か
- 昇格試験合格のために必要なこと
- 昇格試験に受かる人と落ちる人の特徴
- 面接本番で緊張しない方法
- 昇格試験が終わったらやるべきこと
- 昇格試験にオススメの参考本
私は高専の機械工学科を卒業して、二十歳で大手製造業に入社しました。
高専では、大学へ編入する道もありましたが、会社で昇格していけば、「高専卒でも大卒に追いつくことができる」というOBの言葉に胸を打たれ、就職という道へ進みました。
会社に入ってからは、これまでに5回の昇格試験を受けて、全て合格してきました。
「昇格試験って何?どんな試験?何を準備したらいいの?」など、初めて昇格試験を受ける人は分からないことだらけだと思います。
そこで今回は、これから昇格試験を受ける方に向けて、昇格試験合格までのロードマップを網羅的に解説していきかす。
ぜひ参考にしてください。

「高専卒でも大卒に勝てる」を信じ、二十歳で高専から大手ホワイト企業に就職。
入社3年目で国家資格を2つ取得するが、翌年に脳梗塞を発症してドタバタな展開に。
「人生オワタ」と思いながらも何とか這い上がり今では機械設計士として晴れて社畜に復帰。
これまで5回の昇格試験に合格し、20代で年収600万円に到達。
このブログでは「高専卒でも大卒に勝てる」ノウハウをこれまでの経験を交えて紹介していきます!
昇格試験とは?公務員と民間企業で呼び名が違います!

「昇格試験」とは、民間企業における階級が上がる試験のことを言います。
公務員の場合は「昇任試験」となります。
また係長や課長、部長といった肩書きが付く場合は、「昇進試験」となります。
似たような言葉があり、まぎらわしいですね。
- 「昇格」
-
社内での階級が上がることを言う
役職がつくわけではない。「係長や部長になる」とは違う
- 「昇進」
-
会社で役職が上がることを言い、係長や課長などの肩書きが付く
公務員に使われる「昇任」と同じ意味
- 「昇任」
-
公務員の人に該当する
一般の会社でいう「昇進」と同じで、肩書きが付く
- 「昇級」
-
公務員の人に該当
一般の会社でいう「昇格」と同じ
- 「昇給」
-
給料が上げること
ベースアップによる「昇給」
年齢が上がると増える「定期昇給」などがある
昇格試験の試験項目は面接と小論文が基本
昇格試験の試験項目は「面接」と「小論文」が基本となります。
「筆記(学力)試験」を行う企業もあるようですが、どの企業も「面接」は必須ではないでしょうか。
私の会社では、昇格試験の場合は「面接のみ」、昇進試験の場合は「面接+小論文」があるといった感じです。
企業によって試験項目は異なるので試験要綱をしっかりチェックしましょう。
また事前に以下のような「自己評価シート」を提出させる企業もあります。
- 職務経歴
- 現在の業務内容・主な業務課題
- これまでの実績
- 自分の強み・弱み
自己評価シートは、面接の際、面接官の手元に置かれるので、とても重要な書類となります。
企業が昇格試験を導入する目的とメリット・デメリット

企業が昇格試験を実施する目的は、「社員のモチベーションを上げること」です。
昇格試験に合格すると、階級が上がり、これまで以上に責任ある仕事を任されます。
さらに給料が上がることで、社員はこれまで以上の成果を出そうとより努力することが期待されます。
昇格試験を行うことは、社員のモチベーション向上に繋がり、それは企業の成長にも繋がるのです。
私自身も、昇格試験を乗り越えるたび給料が上がり、それが日々のモチベーションとなっています。
昇格試験を実施するメリット
昇格試験を実施する目的は「従業員のモチベーションを上げること」でした。
その他にも昇格試験を実施することで、次のようなメリットがあります。
- 自己分析する機会になる
- 社員同士で競争意識ができる
- 給料を正しく公平に分配できる
- 優秀な人材を見つけられる
昇格試験では、過去の自分を振り返る、強みや弱みを分析する、将来像を考える、など改めて自分を見つめ直す絶好の機会になります。
また社員同士が競争意識を持って高めあうことで、優秀な人材に生まれ変わる可能性があります。
人材の成長は、企業の成長にも大きな影響を与えてくれることが期待されます。
「優秀な社員には高い給料を!」など、給料を正しく公平に分配できるという点でもメリットになります。
昇格試験を実施するデメリット
一方で昇格試験を実施するデメリットもあります。
- 試験そのものがストレスになる
- 不合格だと社員のモチベーションが下がる
- 無能な人を昇格させてしまう
- 会社(評価制度)に疑問を持たれる
昇格試験の準備は「業務時間外にやるべきこと」としている企業がほとんどだと思います。
仕事が終わって小論文を作成したり、面接対策の準備したり、試験が終わるまでは相当忙しくなります。
社員にとっては地獄のような期間です。
また昇格試験に落ちると、これまでの苦労が水の泡となり、モチベーションは急降下します。
「なんで受からなかったの?何が悪かったの?」など会社に疑問や不満を抱くことでしょう。
転職を考える社員が出てきてもおかしくなく、私の会社でもそれを機に転職した人がいます。
一方で「無能な人を昇格」させてしまったり、昇格した後に「無能な人に化してしまう」といったことも実際にはあります。
企業にとってもリスクを抱えたイベントなのです。
昇格試験を受けられるのはどんな人?

ある程度の階級までは昇格できる
昇格試験を受けられるのは、「優秀な社員」というのは感覚的にも分かると思います。
しかし実際には若手社員、あるいは、ある程度の階級までなら何もしなくても昇格できます。
私の会社でも入社して5年くらいまでは「仕事ができる・できない」関係なく、昇格試験を受けることができ、よほどのことがなければ普通に昇格もできます。
差が出るのはその後です。
ある階級以降は、能力や評価基準によって「昇格できる・できない」が分かれます。
仕事ができる人が昇格できるわけではない
昇格するには、ただ仕事ができるだけではなく、普段の態度や行動も重要です。
そもそも昇格試験の前には、上層部で選抜会議が行われ、昇格する人を決めます。
「周りを巻き込んで業務を進めるリーダーシップ性があるか」、「周囲に信頼され頼られる人材であるか」など仕事の能力だけでなく、人としての評価も必要になります。
いくら上司が「こいつは仕事ができるから」と推薦しても、周囲から嫌われているような人が選ばれることはありません。
昇格試験が受けられる人というのは、「単に仕事ができる」だけではなく、「周囲から信頼されている」というのも大事な評価基準です。
国家資格取得も評価対象
一方で目に見える評価も必要なので、「資格を取得しているかどうか」を条件の一つに掲げている企業も多いようです。
私の会社でも、会社が推奨する国家資格を取れば評価が上がる仕組みとなっています。
若い社員は、「仕事を覚えるよりもさっさと資格を取れ」と教育されているほどです。
私もこの資格取得を頑張ったおかげで、最速で昇格することができました。
いずれにしてもどの会社にも「評価基準」はあり、開示されているはずなので一度はチェックしておきましょう。
昇格試験合格のために必要な準備

昇格試験合格のためには、早いうちから準備することです。
直前になるまで何もしない人は意外とたくさんいます。
小論文も面接も、慣れていない人ばかりだと思うので、試験の案内がきたらすぐに準備に取り掛かりましょう。
事前課題の提出
試験の案内がきたら、まず「小論文」や「自己評価シート」など事前課題を完成させて提出しましょう。
後述しますが、小論文や自己評価シートなどは先輩の過去の資料を見せてもらいましょう。
構成や文章を真似て書くことで時短になるし、自分で一から考えるより良いものになります。
また一人で悩まずある程度書けたら誰かに見てもらいましょう。
同僚や上司、できるなら管理職の人に見てもらうことをオススメします。
何度も昇格試験を乗り越えてきた管理職の方であれば、自分では気づけない箇所にも的確に指摘してくれるでしょう。
面接の準備
「小論文」や「自己評価シート」も大事な書類ですが、一番重要なのは面接です。
面接は「小論文」や「自己評価シート」と違って、見直したり修正のできない一発勝負の試験です。
面接で落とされる人はよく聞きますし、そういったうわさはすぐに広まります。
「恥をかきたくない」という方は面接の準備にしっかり時間をかけましょう。
面接に向けて準備するのは次のとおりです。
- 面接原稿を作成する
- 想定問答を考える
- 何度も面接練習をする
面接では事前にどんなことを話すか原稿を作成したり、聞かれそうな質問をたくさん書き出して、どう答えるかも考えて文章に起こします。
そして重要なのは何度も面接練習をすることです。
文章を読んでいるだけでは身になりません。
上司や管理職に面接官役になってもらい何度も練習しましょう。
3回以上やることをオススメします。3回以上やれば劇的に変わるからです。やれば分かります。
面接試験当日までのステップ
「小論文」「自己評価シート」「面接」を試験課題として、面接試験当日までのステップを例として記載します。
- 小論文のテーマを決める(現在抱えている業務課題が一般的)
- 小論文の構成を作成(先輩の資料を参考)
- 本文を書いて上司(管理職)に見てもらう
- 指摘をもらい修正を繰り返しながら完成させる
- 自己評価シートの作成(先輩の資料を参考)
- 上司(管理職)に見せて指摘をもらいながら完成させる
- 面接原稿の作成(小論文と自己評価シートの内容とつじつまが合うように)
- 上司(管理職)に見せて修正を繰り返す
- 想定問答を考えて文章に書きだす
- 面接原稿をある程度暗記する
- 面接練習(できれば管理職クラスと、3回以上はやる)
- 面接本番
昇格試験の案内は、だいたい1~2カ月前くらいに聞かされます。
準備期間はたったの1~2カ月しかないので、早め早めに行動して焦って取り掛かるくらいにしましょう。
また面接は練習期間が少ないと本番は不安と緊張で押しつぶされそうになります。
面接練習にはたっぷりと時間を費やせるよう、早めに取り掛かりましょう。
小論文は先輩の資料をパクりましょう

昇格試験で小論文攻略のカギは、先輩の資料をパクることです。
またパクるというと聞こえは悪いですが、過去の資料を参考にするのは、受験勉強で過去問を解くのと同じでとても重要です。
小論文の書き方や構成などは、その会社独自のやり方や正解があると思います。
先輩の論文は、必ず上司や課長のチェックが入り、何度も修正された末に完成した作品となっています。
その論文で昇格試験に臨み合格しているのだから、まさに最高のテキストです。
私も何人もの先輩の論文を見せてもらい構成を真似したり、書き方を参考にして小論文の課題を乗り越えました。
論文を後輩に見せることに抵抗を持つ人もいるので、普段から先輩とのコミュニケーションも大切にしておきましょう。
昇格試験に受かる人と落ちる人の特徴

昇格試験に受かる人と落ちる人には特徴があります。
面接や小論文の評価基準ももちろんありますが、ここでは普段の行動や言動に着目して昇格試験に受かる人と落ちる人の特徴を書いていきます。
なぜなら昇格試験で重要な面接では、普段の行いがモロ面接で露呈してしまうからです。
「自分も普段からこうしよう、こうなろう」「これは絶対にやらないようにしよう、気を付けよう」など、どちらの特徴も知って普段から習慣づけておけば、合格に近づくので是非覚えておきましょう。
昇格試験に受かる人の特徴
まず昇格試験に受かる人の特徴は次のとおりです。
- 計画性があり事前にしっかり準備ができる
- 自分の能力に過信せず、誰にでも低姿勢である
- 時には演技をしてでもその人のレベルに合わせてコミュニケーションがとれる
- 周囲から信頼され頼りにされている
- 課題や問題に対して主体的に提案し実行に移している
- リーダーシップを発揮し周囲の人をうまく巻き込んでいる
- 与えられた業務だけでなく自ら進んで業務をこなしている
- 人の話を最後まで聞いて、否定的なことを言わない
- 突然の仕事やトラブルが起きても冷静に対処できる
- どんなに忙しくても感情的にならず笑顔で乗り越えられる
昇格試験に受かる人の特徴は、ただ能力が高い、仕事ができる、だけでなく人柄も重要です。
私も昔、人事権を持っている部長に言われたことがあります。
「能力が高いだけではダメ。周りから信頼され愛される人でないと昇格させるわけにはいかない」
会社は組織なので個の能力が高くてもチームが機能しなければうまくいきません。
その為、周囲に影響を与えられるリーダーシップ性のある人材が昇格しやすいというわけです。
昇格試験に落ちる人の特徴
また昇格試験に落ちる人の特徴は次のとおりです。
- 計画性がなく常にやっつけ仕事(準備不足)
- 周囲に自身の能力や過去の実績を自慢する
- 都合の悪いことは感情的になって威圧する
- 主体性も協調性もない
- 他人の意見や提案に常に否定的である
- 人の話を最後まで聞かない、途中でさえぎる
- 突然の仕事やトラブルは他人に任せがち
記載のとおり昇格試験に落ちる人の特徴は、受かる人の真逆です。
リーダーシップ性がなく周囲から信頼もないので頼りにされることもありません。
また特に注意したいのは、「人の意見や提案に常に否定的である」という特徴です。
私も若手でエンジニアとして知識が身に付き始めた頃、専門外で何も分からない人の提案や意見に対して、よく否定的な言葉で突っ返していました。
のちに課長から指導を食らうことになりますが、人に意見を否定されると本当に嫌な気持ちになります。
今でも人と話すときは意識して気を付けていることですが、私のように誰かに指導されて初めて気づく人がたくさんいます。
普段から人との接し方に気を付けている人は、必ず、周囲からの評価は高く昇格試験でも有利に働くはずです。
面接本番で緊張しない方法
「面接本番で緊張してうまくいかなかった」と言う人がいますが、原因の多くは「準備不足」です。
特に面接練習の回数が少ない人はこの傾向にあります。
上述したように管理職の方に面接官役になってもらい、何度も練習して、面接の雰囲気に慣れておけば本番でも堂々と受け答えできます。
最低でも面接練習は3回以上です。
「準備しとけばよかったなぁ」と後悔しないように、何度でも自信がつくまで面接練習を行いましょう。
昇格試験が終わったらやるべきこと
昇格試験が無事に終わっても、まだやることがあります。
それは自分のために論文を修正したり、練習に付き合ってくれた上司や課長、部長に報告とお礼を言うことです。
ここまで伝えてきたように昇格試験は一人で乗り越えられるような試験ではありません。
合否に関係なく、お世話になった人に感謝の言葉を述べることで、あなた自身の人柄にさらに磨きがかかります。
昇格試験が終わって浮足立つ気持ちも分かりますが、まずは感謝の言葉を述べましょう。
そして次にやることが、今回の昇格試験の記録を残すことです。
昇格試験は会社生活で一度きりのイベントではありません。
これからまだまだ受けるチャンスがあります。
先輩の資料が過去問となったように、自分が残す昇格試験の記録も貴重な資料となります。
試験の終わりは、次の昇格試験への始まりでもあります。
次の昇格試験では今回の昇格試験の反省を活かしつつ、より良い結果が残せるようにしておきましょう。
昇格試験|面接・小論文対策にオススメの本を紹介します
昇格試験の面接・小論文対策にオススメの本を紹介します。
面接・小論文とも具体的な面接問答や論文が記載しており、実践で使える内容となっています。
私も昇格試験を受ける度に繰り返し読んで、参考にしている本なのでぜひ手に取ってみてください。

まとめ
昇格試験を初めて受ける人に向けて、昇格試験について網羅的に解説してきました。
- 昇格試験とは何か
- 企業が昇格試験を導入する目的とメリット・デメリット
- 昇格試験を受けられるのはどんな人か
- 昇格試験合格のために必要なこと
- 昇格試験に受かる人と落ちる人の特徴
- 面接本番で緊張しない方法
- 昇格試験が終わったらやるべきこと
- 昇格試験にオススメの参考本
昇格試験に合格すると、給料が上がるだけでなく、これからの仕事もモチベーションが上がり楽しくなります。
試験までの期間は忙しく辛いと思いますが、後悔しないように頑張って取り組みましょう。
ではご健闘をお祈りします!
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント